小児気管支喘息ガイドライン2012

●重症度
・間欠型
年に数回、季節性に咳嗽、軽度喘鳴が出現する
時に呼吸困難を伴うこともあるが、β2刺激薬の頓用で短期間で症状は改善し、持続しない
・軽症持続型
咳嗽、軽度喘鳴が1回/月以上、1回/週未満
時に呼吸困難を伴うが、持続は短く、日常生活が障害されることは少ない
・中等症持続型
咳嗽、軽度喘鳴が1回/週以上。毎日は持続しない
時に中・大発作となり日常生活が障害されることがある
・重症持続型
咳嗽、軽度喘鳴が毎日持続する
週に1~2回、中・大発作となり日常生活や睡眠が障害される
・最重症持続型
重症持続型に相当する治療を行っていても症状が持続する
しばしば夜間の中・大発作で時間外受診し、入退院を繰り返し、日常生活が制限される
●治療目標
・β2刺激薬の頓用が減少、または必要がない
・昼夜を通じて症状がない
・ピークフローやスパイログラムがほぼ正常で安定している
・気道過敏性が改善し、運動や冷気などによる症状誘発がない
・スポーツも含め日常生活を普通に行うことができる
・治療に伴う副作用が見られない
●喘息コントロール状態の評価(1ヶ月程度の期間で判定する)
・コントロール良好:軽微な症状なし、明らかな喘息発作なし、日常生活の制限なし、β2刺激薬の使用なし
→目標が達成されている状態が3ヶ月以上維持できれば治療薬の減量を検討する。
・コントロール比較的良好:軽微な症状月1回以上、明らかな喘息発作なし、日常生活の制限あっても軽度、β2刺激薬の使用月1回以上
→現行治療を継続
・コントロール不良:軽微な症状週1回以上、明らかな喘息発作月1回以上、日常生活の制限月1回以上、β2刺激薬の使用週1回以上
→ステップアップ、環境改善を考慮。
●吸入ステロイド薬用量対比表(単位はμg/日)
・FPフルチカゾン(フルタイド)、BDPベクロメタゾン(キュバール)、CICシクレソニド(オルベスコ):低用量~100、中用量~200、高用量~400
・BUDブデソニド(パルミコート):低用量~200、中用量~400、高用量~800
・BISブデソニド(パルミコート)吸入懸濁液:低用量~250、中用量~500、高用量~1000
フルタイド400以上で副腎皮質機能不全の報告あり。
フルタイド、キュバール、オルベスコは200までとする。
●小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(6~15歳)
・ステップ1
発作の強度に応じた薬物療法

ロイコトリエン受容体拮抗薬and/orDSCGクロモグリク酸ナトリウム(インタール)
・ステップ2
吸入ステロイド薬(低用量)and/orロイコトリエン受容体拮抗薬and/orDSCG

テオフィリン徐放製剤(考慮)
・ステップ3
吸入ステロイド薬(中用量)

ロイコトリエン受容体拮抗薬
テオフィリン徐放製剤
長時間作用性β2刺激薬の追加あるいはSFCサルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤(アドエア)への変更
・ステップ4
吸入ステロイド薬(高用量)
以下の併用も可
ロイコトリエン受容体拮抗薬
テオフィリン徐放製剤
長時間作用性β2刺激薬の併用あるいはSFCへの変更

以下を考慮
吸入ステロイド薬のさらなる増量あるいは高用量SFC
経口ステロイド薬
(1)長時間作用性β2刺激薬は症状がコントロールされたら中止するのを基本とする。
(2)SFCへの変更に際してはその他の長時間作用性β2刺激薬は中止する。SFCと吸入ステロイド薬の併用は可能であるが、吸入ステロイド薬の総量は各ステップの吸入ステロイド薬の指定範囲内とする。
(3)治療ステップ3の治療でコントロール困難な場合は小児の喘息治療に精通した医師の下での治療が望ましい。
(4)治療ステップ4の追加治療として、さらに高用量の吸入ステロイド薬やSFC、経口ステロイド薬の隔日投与、長期入院療法などが考慮されるが、小児の喘息治療に精通した医師の指導管理がより必要である。
●小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(2~5歳)
・ステップ1
発作の強度に応じた薬物療法

ロイコトリエン受容体拮抗薬and/orDSCG
・ステップ2
ロイコトリエン受容体拮抗薬and/orDSCGand/or吸入ステロイド薬(低用量)
・ステップ3
吸入ステロイド薬(中用量)

ロイコトリエン受容体拮抗薬
長時間作用性β2刺激薬の追加あるいはSFCへの変更
テオフィリン徐放製剤(考慮)
・ステップ4
吸入ステロイド薬(高用量)
以下の併用も可
ロイコトリエン受容体拮抗薬
テオフィリン徐放製剤
長時間作用性β2刺激薬の併用あるいはSFCへの変更

以下を考慮
吸入ステロイド薬のさらなる増量あるいは高用量SFC
経口ステロイド薬
※長時間作用性β2刺激薬ドライパウダー定量吸入器(DPI)は自力吸入可能な5歳以上が適応となる。
●小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(2歳未満)
・ステップ1
発作の強度に応じた薬物療法
+ロイコトリエン受容体拮抗薬and/orDSCG
・ステップ2
ロイコトリエン受容体拮抗薬and/orDSCG

吸入ステロイド薬(低用量)
・ステップ3
吸入ステロイド薬(中用量)

ロイコトリエン受容体拮抗薬
長時間作用性β2刺激薬
(貼付薬あるいは経口薬)
・ステップ4
吸入ステロイド薬(高用量)
以下の併用も可
ロイコトリエン受容体拮抗薬

長時間作用性β2刺激薬
(貼付薬あるいは経口薬)
テオフィリン徐放製剤(考慮)
(血中濃度5~10μg/mL)
(1)長時間作用性β2刺激薬は症状がコントロールされたら中止するのを基本とする。経口薬は、12時間持続する1日2回投与の薬剤とする。
(2)テオフィリン徐放製剤は6か月未満の児に原則として対象にならない。適応を慎重にし、痙攣性疾患のある児には原則として推奨されない。発熱時には一時減量あるいは中止するかどうかあらかじめ指導しておくことが望ましい
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