骨粗鬆症

●対象
・65歳以上の女性、危険因子を有する65歳未満の女性、70歳以上の男性、危険因子を有する50歳以上の男性
・危険因子:過度のアルコール摂取(1日3単位以上: 1単位エタノール8~10 g)、現在の喫煙、大腿骨近位部骨折の家族歴
・脆弱性骨折、ステロイド内服、甲状腺機能亢進症、多発性骨髄腫、糖尿病、腎不全、肝不全
・45歳未満の閉経は早期閉経であり性腺機能低下症として対応する必要がある。
・胃切除術では全摘かつビルロートⅡ法もしくはRoux-en-Y法で再建された場合にビタミンDとカルシウムの吸収不全をきたしやすい。また、大腸広汎切除や繰り返す腸管手術では短腸症候群による栄養障害が生じやすい。
・臓器移植も続発性骨粗鬆症の原因となる。
●診断
・DXA
DXAを用いて腰椎と大腿骨近位部の両者を測定する。診断には低い方を用いる。
脆弱性骨折あり+YAMの70%以上80%未満→骨粗鬆症
脆弱性骨折なし+YAMの70%未満→骨粗鬆症
経過観察の測定は、4ヶ月毎が保険適応である。
年間の骨密度の変化率は数%に過ぎないため、少なくとも半年~1年以上の測定間隔が必要であり、短期間での治療効果の判定には不向きである。
・骨代謝マーカー
骨吸収マーカー:尿中NTX、血中NTX(尿中NTXの方が安定している)
骨形成マーカー:BAP、P1NP、ucOC(P1NPが反応が早い)
尿検体では早朝第二尿の採取、血清検体では午前中の採血が推奨されている。尿検体および血清検体はいずれも日内変動による影響を防ぐために、同一時間帯に採取する。健康保険で認められているのは骨吸収マーカーは治療開始時と開始後3~6ヵ月の2回の測定、骨形成マーカーは回数制限なし。ucOCはビタミンK不足のマーカー。
骨代謝マーカー測定目的は、治療薬の選択、治療効果の判定である。
骨吸収マーカー上昇→ビスホスホネート>SERM
骨吸収マーカー低下→テリパラチド
尿中NTX>55でかなり骨吸収が強い状態と考えられ、ビスホスホネートを開始する。さらなる異常高値の場合には骨粗鬆症以外の骨代謝疾患の可能性を改めて検討する。低体重者や高齢者ではクレアチニン排泄量が少なくなり、尿中マーカーによる評価では実際よりも骨吸収亢進状態と判定される可能性がある。
通常、骨形成マーカーよりも骨吸収マーカーの方が早期に大きく変動するため、骨吸収マーカーの動きに注目する。尿中NTX30程度に維持することを目安にする。この際骨形成マーカーが下がりすぎると、骨代謝が低下しすぎているため、テリパラチドへ変更する。
●治療
・ビスホスホネート製剤
フォサマック、ボナロン 35mg 週1回1錠 朝食前30分
アクトネル、ベネット 17.5mg 週1回1錠 朝食前30分
フォサマック、ボナロン、アクトネル、ベネット 毎日1日1回1錠
ボナロン 月1回1錠
骨吸収抑制作用が強いため、高齢者で骨折歴がある場合に使用する。朝起床時に水約180mlとともに経口投与。服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食ならびに他の薬剤の経口摂取を避ける。副作用として胃腸障害に注意する。
ビスホスホネート製剤による長期治療(3年間以上)患者では、抜歯やインプラント処置時には、顎骨壊死との関連から、3カ月の休薬後の処置が望まれる。
ビスフォスフォネート製剤は骨質に悪影響を与える作用が危惧され、その使用は5年以上継続しない方がいいという意見がある。尿中NTXが低くなりすぎると(10以下)、非定型骨折を起こす可能性があり、尿中NTXが低い場合は一旦休薬して6~12ヶ月後に再度投与するかどうか検討する。また、骨形成マーカーを年に1,2回に測定し、基準値以下になるようであればビスホスホネート製剤は休止すべきという考え方が最近ある。
・女性ホルモン剤(SERM)
エビスタ 60mg 1錠 分1
ビビアント 1錠 分1
骨吸収抑制作用がある。骨粗鬆症のみでなく、コレステロール低下作用、乳癌、子宮癌抑制作用などが期待できる。静脈血栓の発生に対する注意が必要。
・副甲状腺ホルモン(PTH)(テリパラチド)
フォルテオ 1日1回 自己注射
骨形成を高めて骨密度を増加させる。ビタミンD併用で血中カルシウムが上昇するため注意する。
血中P、Ca、尿中Ca等を測定し、副作用に注意する。
・ビタミンD製剤
アルファロール、ワンアルファ 1日1回 分1
エディロール
骨吸収抑制及び骨形成刺激作用がある。ビスホスホネート製剤や女性ホルモン剤と併用する。最近の研究では筋力増強作用、転倒頻度の減少などのメカニズムが相次いで報告されており、このことが骨折の減少をもたらしている可能性も示されている。尿中カルシウムを測定し、高カルシウム尿症の場合には減量。随時尿中Ca/Cre比〈mg/mg〉を0.3以下にするように心がける。
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