機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)

●機能性ディスペプシアの診断
機能性ディスペプシアはIBSと同様にRomeIII診断基準に基づいて診断される。その中でディスペプシア(上腹部愁訴)は、(1)心窩部痛、(2)心窩部灼熱感、(3)もたれ感、そして(4)早期飽満感の4つとして定義される。これら4つのディスペプシア症状のうち1つ以上を慢性的に有しており、かつ上部消化管内視鏡検査などにより癌や消化性潰瘍などの器質的な異常が確認されない場合、機能性ディスペプシアと診断される。
・機能性ディスペプシアの診断基準
必須条件
1.以下の項目が1つ以上あること
a.つらいと感じる食後のもたれ感
b.早期飽満感
c.心窩部痛
d.心窩部灼熱感
2.上部内視鏡検査などにより器質的疾患が否定され、6ヵ月以上前から症状があり、最近3ヵ月間は上記の基準を満たしていること
●機能性ディスペプシアの分類
さらに詳細には、機能性ディスペプシアは、食後愁訴症候群(postprandial distress syndrome: PDS)と心窩部痛症候群(epigastric pain syndrome: EPS)の2つに分類される。食後愁訴症候群は食後のもたれ感や摂取開始後すぐに満腹感を覚える早期飽満感を主症状にするものであり、一方、心窩部痛症候群は、排便などでは改善しない心窩部の痛みや灼熱感を主症状にする。
・食後愁訴症候群(PDS)
以下のうちの一方あるいは全てを満たすこと
1.週に数回以上、普通の量の食事でもつらいと感じるもたれ感がある
2.週に数回以上、普通の量の食事でも早期飽満感のために食べきれない
補助的基準
1.上腹部の張った感じ、食後のむかつき、大量の曖気(げっぷ)を伴うことがある
2.心窩部痛症候群(EPS)が併存することもある
・心窩部痛症候群(EPS)
以下のすべての項目を満たすこと
1.心窩部に限局した中等症以上の痛みあるいは灼熱感が週に1回以上ある
2.間欠的な痛みである
3.腹部全体にわたる、あるいは上腹部以外の胸腹部に局在する痛みではない
4.排便、放屁では改善しない
5.機能性胆嚢・オッジ括約筋障害の診断基準を満たさない
補助的基準
1.痛みというよりは灼熱感のこともあるが,胸部の症状ではない
2.痛みは通常食事摂取で誘発されたり改善したりするが、空腹時に起こることもある
3.食後愁訴症候群(PDS)が併存することもある
●治療
・消化管運動促進剤(D2ブロッカー、5-HT4アゴニスト):ガスモチン、ガナトン
・酸分泌抑制剤(H2ブロッカー、PPI):パリエット
・ピロリ除菌治療
・抗不安薬・抗うつ薬:セディール、ドグマチール
・漢方薬:六君子湯
まずはPPI、ガスモチンなどを試す。
もたれにはガスモチン、ガナトン、六君子湯
上腹部痛にはガストローム、柴胡桂枝湯、安中散
口腔内乾燥症状にはアシノン、舌痛にはプロテカジン、口内炎にはプロマックD
夜間の胸やけには、ガストローム
難治例には、セディール、ドグマチール
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